IT部門の社内マーケティングは逆効果

Tony Young

IT部門が大きな成功を収め、また情報管理者のメッセージングが素晴らしいとしても、社内で売り込もうとすれば裏目に出ます。

最高情報責任者(CIO)は、日常的にIT部門を社内の他部門に売り込んできました。目覚ましい業績を示す指標を盛り込んだ年次報告は、IT部門の企業に対する貢献度を明示し、強調するのに役立ってきました。しかし今日では、経営幹部は技術に精通し、企業戦略における技術が果たす役割を完全に理解しており、もはやIT部門は社内への売り込みからは、何のメリットも感じることができなくなっています。

InformaticaのCIO、Tony Youngは次のように述べています。「社員全員がIT部門に対して、良い、悪い、無関心などの感情を持っています。IT部門が社内に売り込めば、そうした感情、特に悪い感情を増幅させるだけです。自分自身を売り込もうとすると、敵を作ることになりかねません。」

ネガティブキャンペーン

一部の企業では、要望が満たされない、プロジェクトが遅々として進まずフラストレーションが溜まる、遅いネットワークに苛立ちを覚えるなどの理由から、IT部門に対して社員が嫌悪感を募らせています。そのような時にCIOがIT部門を売り込めば、こうしたネガティブな意見が瞬く間に増幅してしまうかもしれません。マーケティング資料は、過去に成功した古いプロジェクトやきちんと遂行されたサービスレベル契約(SLA)にフォーカスする傾向があります。経営幹部は、過去の資料を求めているのではなく、IT部門が現在どのような貢献を果たしているか、将来企業にどの程度の付加価値をもたらすかを知りたいと思っているのです。

また、IT部門への関心を呼び込もうとすると、避けて通れない疑問が浮上してくるかもしれません。たとえば、貴社が予算に問題を抱えているとすれば、豪華なカタログを使った社内プロモーションを行えば、当然ながら、なぜIT部門は内部への売り込みに使える予算を持っているのかという疑問が投げかけられます。

Youngは、IT部門の取り組みを売り込むCIOは、社内でIT部門が白い目で見られ、取り残されていく危険を冒していると指摘し、次のように語っています。「これは一見優れたアプローチに見えても、他の社員を苛立たせるだけの費用の浪費であり、古いやり方です。」

将来の価値を明確に

T部門は、業務部門のパートナーとコミュニケーションを図り、担当以外の業務も行っていることを周知させましょう。その際、さまざまなSLAに関する状況を提示することが最低限必要です。IT部門の成果物をビジネスの戦略や目標に関連付けましょう。そして、将来について話しましょう。経営幹部に対して、IT部門がビジネス戦略の推進に少なからず貢献していることを伝えましょう。具体的な事例を使って、どのような方法でIT部門が現在の課題に対処していこうとしているかを明確にしましょう。

Youngは、次のように提案しています。「問題点を指摘した上で、IT部門がどのようにそれを解決しようとしているかを話しましょう。経営幹部は非常に多忙であるため、IT部門の資料を読む時間はほとんどありません。明確かつコンパクトに話をまとめると、経営幹部からの共感を得ることができるかもしれません。」

IT部門の社内での売り込みは、CIOにとって大きなリスクが伴います。CIOが行うべき唯一のマーケティング活動とは、IT部門内におけるチームの文化やモラルの構築です。それ以外で最も効果的なIT部門のマーケティング活動とは、仕事をきちんと行って予定どおりに予算内で納入し、業務部門の革新を支援することで、IT部門の責任を果たすことだけです。

The situational CIO(状況に応じたCIOのあり方)」では、CIOが戦略的関与のバランスを図りながら戦術にフォーカスする必要がある理由について解説されています。是非ご一読ください。

「社員全員がIT部門に対して、良い、悪い、無関心などの感情を持っています。IT部門が社内に売り込めば、そうした感情、特に悪い感情を増幅させるだけです。自分自身を売り込もうとすると、敵を作ることになりかねません。」――Informatica CIO、Tony Young