マスターデータマネジメント:
マスターデータマネジメントの概要とその重要性
マスターデータマネジメント(MDM)とは
マスターデータマネジメント(MDM)とは、ビジネスに関係する人、場所、モノのデータを社内外のデータソースやアプリケーションから単一のマスターレコードに統合することです。データを重複排除、調整、エンリッチ化することで、整合性のある、信頼できるソースを構築します。この単一のマスターレコードが、業務上不可欠なデータに関する信頼できるビューとなります。これを全社レベルで管理および共有することで、正確なレポートの作成、データエラーの削減、重複の排除、整合性のあるマスターデータ、情報に基づく意思決定の改善が実現します。
マスターデータマネジメント(MDM)テクノロジーと管理手法としてのMDMの違い
管理手法としてのMDMはデータガバナンスの原則に基づいており、企業データの信頼できるビューを確立することを目的としています。今日のグローバル市場ではデータドリブンな意思決定の重要性が増しています。また、業務上重要な人、場所、モノに関するデジタルレコードを生成するシステムが増加しているため、ビジネスの成功にはデータガバナンスとMDMが不可欠です。
テクノロジーとしてのMDMソリューションでは、事業、ブランド、部門、組織が使用する各アプリケーションで業務上不可欠なデータのガバナンス、管理、共有をどのように実行するかを自動化できます。MDMソリューションは、データの統合、調整、エンリッチ化、品質、ガバナンスを適用して、マスターレコードを作成します。さらに、自動化と人工知能(AI)により、データを格納するシステム間でデータを特定、照合、マージします。これにより、アプリケーション、システム、アナリティクスでクリーンなデータを利用できるようになります。レコードをマージする際、MDMソリューションを通じて、レコードの不一致を修正して、データのソースを把握し、データ変更の監査証跡を作成することもできます。信頼できるフレームワークを通じて透明性を確保することで、それぞれのマスターレコードがどのように作成または変更されたかを可視化できます。強力なマスターデータマネジメントプログラムには、効果的なデータマネジメントを実現するための戦略的アプローチが不可欠です。
マスターレコードとは
マスターデータマネジメントでは、マスターレコード(別名:ゴールデンレコード(高品質で唯一無二のレコード))を作成します。このマスターレコードには、企業や組織にとって必須となる重要な情報(顧客、場所、製品、サプライヤーなど)が含まれています。このマスターレコードにより、マーケティングキャンペーン、問い合わせ、販売担当者との会話などのタスクや活動を促進します。
マスターデータの分かりやすい例として、参考データが挙げられます。参考データは、マスターデータのサブセットです。参考データには、次のようなものがあります。
- 緯度と経度
- 郵便番号と市外局番
- 航空会社が使用する3文字の空港コード
- 提供した医療サービスを把握するために組織間で使用される医療コード(例:ICD-10)
マスターデータマネジメント(MDM)について知っておくべきこと
MDMソリューションは、データのクレンジング、変換、統合など、幅広い機能を備えています。マスターデータを維持・管理することで、新しいデータのクレンジング、変換、統合を継続的に行い、データの整合性と品質を確保できます。システムにデータソースを追加すると、MDMソリューションが、データを特定、収集、変換、修正するためのプロセスを開始します。データが品質基準を満たしたら、スキーマと分類法が作成されます。これにより、高品質のマスター参考データを維持できます。MDMソリューションにより、企業全体のデータの正確性、最新性、整合性を確保できます。
マスターデータを分類するカテゴリーのことを、ドメインと呼びます。一般的なMDMドメインには、次のようのものがあります。
- 顧客マスターデータマネジメント(B2BとB2Cの両方)
- 製品マスターデータマネジメント
- サプライヤーマスターデータマネジメント
- 参考データマスターデータマネジメント
- 場所マスターデータマネジメント
- 資産マスターデータマネジメント
- 従業員データマスターデータマネジメント
その他にも、アカウント、患者、医療機関、受取人、契約、保険請求、プロジェクト、映画、キャラクター、空港、航空機、車両、現場など、ビジネス課題に応じて、より具体的なドメインに分類して、マスターデータとして管理できます。例えば、医療機関は患者、医療提供者、および位置情報データを習得する必要があり、臨床レベルの精度とHIPAA(医療情報保護法)遵守義務の必要性から、専門的な実装アプローチが求められる。
マスターデータマネジメント(MDM)が必要な理由
情報が複数のソースに分散していることは、多くの組織(特に大規模組織)が直面する問題となっています。情報が分散していると、多大なコストが発生する可能性があるためです。データは時間とともに変化するため、データが断片化して、同期性、完全性、正確性、整合性が簡単に失われてしまう場合があります。そして、データが劣化すると、データに対するユーザーの信頼も失われます。例えば、営業管理者が不完全または不正確な顧客情報にアクセスした場合、商談に大きな悪影響が及ぶことになります。
- 顧客の住所データは正しいのか、それとも変更があったのか?
- 営業管理者は顧客の購入済み製品を正確に把握しているか?
- 未処理のサービス項目はあるか?
これらの疑問に対して正確な回答を得られなければ、新規の販売(または既存の関係)が危険にさらされることになります。こうした状況では、MDMソリューションがあれば、信頼できる顧客プロファイルを作成して、企業データに関する問題を回避できます。
異種アプリケーション(SAP、Marketo、Salesforce、DemandBase、Webポータル、出荷管理システム、請求管理システム、契約管理システムなど)を使用して、複数のシステム、アプリケーション、チャネルにわたって、データを作成、キャプチャ、アクセスする場合、さまざまな課題が発生します。MDMにより、これらの課題に対応できます。信頼できる最新データにより、自社の製品やサプライヤーの可視性を高めて、顧客エンゲージメントを促進し、一貫した従業員体験/顧客体験を提供できます。製造業者にとって、この統一された見解はますます重要になってきています。デジタルプロダクトパスポート準拠 サプライチェーン全体から製品とサプライヤーのデータを集約してライフサイクルの透明性を実証する必要がある組織は、この統合されたデータ基盤を活用してデジタルツインやその他の高度な分析包括的な資産および運用データを必要とする
MDMにより、次のような課題にも対応できます。
- 手作業によるデータ入力とエラー(誤字、入力ミス、入力漏れなど)
- 名称の不統一(JimとJames、GEとGeneral Electricなど)
- データの重複や複製
- あるシステムではデータを更新したが、他のシステムでは更新されていない
大規模なグローバル企業、データが複数のシステムに分散している企業、大規模な合併と買収を頻繁に行っている企業にとって、MDMは特に重要です。企業の買収に伴いさまざまなデータ統合の課題が発生することになりますが、MDMによってこのような課題を緩和して、企業買収の価値を早期に実現できます。
また、多様な製品ライン、多数のインタラクションポイント/チャネル、複数の地理的所在地を抱える企業は、MDMを活用することで顧客体験の分断を回避し、信頼できるデータに基づいて業務を遂行できます。
マスターデータマネジメント(MDM)のメリット
複数の矛盾するソースがあると、高コストにつながります。MDMにより、重要ビジネス情報の単一ソースを確立し、冗長性を解消できます。例えば、顧客の連絡先情報に変更があった際に、古い情報と新しい情報の両方で販売活動やマーケティングキャンペーンを展開してしまうといった事態を回避できます。
MDMにより、次のようなビジネスイニシアチブに対応できます。
- 顧客体験
- アナリティクス
- 合併と買収
- ガバナンスとコンプライアンス
- 業務の生産性
- サプライヤーの最適化
- 商品体験
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