iPaaSによる「クラウド統合」とそのメリットとは

最終公開日 : Dec 13, 2022 |
インフォマティカ編集部
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クラウド技術が急速に発展しつつある今日、企業が保有するデータはオンプレミスから各種クラウドサーバにいたるまで、あらゆる場所に分散しています。こうしたデータをシームレスに連携させ、効率よく活用できるようにするのがクラウド統合です。

この記事ではクラウド統合がもたらすメリットに加え、クラウド統合を実行するソリューションであるiPaaSについて説明します。

 

クラウド統合とは?

クラウド統合とは、社内のローカルサーバやパブリッククラウドなど別個の場所に存在する関連データをクラウド上で結びつけ、重複を排除し、あらかじめ規定したルールに従い統合することです。

最新・同一のデータを「社内外のあらゆる場所から」「部門の垣根を越えて」「いつでも利用できる」ようにするクラウド統合は、データドリブンビジネスにとって欠かせない技術といえるでしょう。

 

クラウド統合のメリットと課題

クラウド統合がもたらす直接のメリットは、(上で述べた通り)社内のすべての人々が同じデータにアクセスできることです。これにより社内の意思統一がスムーズになり、プロジェクトを効率的に進めることが可能になります。

クラウド統合はストレージコストの削減にも効果的です。データの重複を解消することでストレージ容量の削減につながるだけでなく、データの保管先を伸縮性と拡張性に優れたクラウドにすることで、運用コストも運必要最小限に抑えることができます。

加えて、従来のデータ利用で発生していた手間、たとえばデータの重複チェックや新旧のチェックといった手間が解消されるため、人的資源や時間といったリソースの節約につながります。

一方、クラウド統合には解決すべきいくつかの課題も存在しています。

その一つがセキュリティの確保です。物理的に外部から遮断されたオンプレミスと比較して、クラウド上のデータは常に外部からの脅威と隣り合わせといえます。情報の破壊や窃取を防ぐには、常に最新のセキュリティソリューションを活用しなければなりません 。

実際、総務省が報告した情報通信白書によると、未だに「クラウドサービスを利用しない理由」の31.8%は、情報漏えいなどセキュリティに不安があると回答しています。

出典:令和2年版 情報通信白書 企業におけるクラウドサービスの利用動向

このような背景から多くのクラウドサービス事業は、クラウドセキュリティ対策に多額の投資をしています。

合わせて、EU一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)といった各国のデータ保護基準に則ったコンプライアンスの維持も重要となります。

さらに、アウトソーシングなどで外部の人材をクラウド上のデータにアクセスさせる場合は、対象者へのデータ利用に監視、管理する仕組みづくりも必要です。

 

クラウド統合に活用されるiPaaS

クラウド統合を実現するツールは現在多種多様にあります。そのため各企業は対象となるデータや統合後の活用方法、予算などによって適切なツールを選択しなければなりません。

この点で、多くの企業に活用されているのがiPaaS(Integration Platform as a Service)です。iPaaSとは複数の異なるシステムを連携するサービスを指し、オンプレミスとクラウド上にあるそれぞれのシステムの橋渡し役として機能します。

iPaaSの特徴的な機能として挙げられるのは、以下の3つです。

  • データの同期

オンプレミスとクラウド、あるいはクラウド間のデータを同期する機能です。たとえば単一の社員データをオンプレミス上の社内システムとクラウドサービスの両方で利用するような場合に、iPaaSはデータを自動で同期することが可能です。クラウド統合には欠かせない機能といえるでしょう。

  • サービス同士の連携

各サービスが公開しているAPIを介して、異なる形態のサービス同士をつなぎます。サービスを連携することで一連の関連作業(たとえば勤怠管理から給与計算まで)が自動化されるため、業務の大幅な効率化につながります。

  • ワークフローの連携

iPaaSは異なるシステム間のワークフローも連携することができます。たとえばGSuiteやSalesforceといった各種SaaSと連携して、「顧客から発注メールを受信したら担当者にチャットで連絡する」といったフローを実行します。

このように、クラウド上の各種サービスが多様化・複雑化している現代において、これらのサービスを統合的に運用できるiPaaSは多くの企業の注目を集めています。

 

iPaaS活用のポイント

クラウド上のサービスを効率的に連携するiPaaSですが、一方でAPIが公開されていないサービスに対しては使用できないという弱点もあります。またAPIを公開しているサービスでも、ごく稀に連携がうまくいかないケースもあるようです。

このため、iPaaSを上手に活用するためには対象となるサービスの見極めが必要です。iPaaSソリューションにはさまざまな種類があるため、自社のクラウド統合ニーズに最も適したものを見つけてください。

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First Published: Dec 22, 2021