BI(ビジネスインテリジェンス)とBA(ビジネスアナリティクス)の違いとは
ビジネスインテリジェンス(BI)とビジネスアナリティクス(BA)―どちらも企業の情報システム上のデータを活用するための方法ですが、とりわけBAは、BIの分析結果をもとにビジネスの将来を予測するための強力なツールとなることが期待されています。
今回はそれぞれの違いと、BAの活用を成功に導くためのポイントについてご紹介します。
ビジネスインテリジェンス(BI)とは?
ビジネスインテリジェンス(BI)とは、企業が情報システムなどで蓄積しているデータを、業務や経営の意思決定に役立てるために分析し、加工することを指します。
BIの特徴は、経営者や現場の担当者が、セルフサービスで情報システムにあるデータを抽出・分析し、有益な情報に加工することで、意思決定を迅速化することにあります。また、その有益な情報への加工には、しばしば「データの可視化」が用いられるのも特徴的です。データの可視化は、企業の誰もがデータをもとに意思決定をできるようにするための方法です。そして、これを実現するためにBI製品があります。
ビジネスアナリティクス(BA)とBIとの違い
一方、近年になってBIをさらに一歩推し進めた概念として提示されるようになったのが、ビジネスアナリティクスです。BAとは、BIでの分析結果をもとに、さらに分析を加えて将来を予測し、次のアクションを決めることを目指す仕組みのことを指します。
ポイントは、BIの目的が意思決定を迅速化するための支援であったのに対し、BAでは将来予測による「意思決定」そのものに重点が置かれていることです。つまり、BAの理想形はデータから将来を予測して結果を最適化し、意思決定に至るまでのプロセスを自動化することにあるのです。
BAを完全な形で実現するには、統計解析、予測分析といったデータサイエンス、さらにデータマイニング、数理計画法、シミュレーション、機械学習といったあらゆる要素技術が必要になるといわれています。ビッグデータやAIといった、今、最も注目される技術分野とも深い関わりがあります。BAの関連技術は今なお進化の途上にありますが、製品開発は積極的に推し進められており、導入企業も増えており、その世界的な市場規模は2019年には600億ドルに達するとも予想されています。
ビジネスインテリジェンス(BI)とビジネスアナリティクス(BA)ができること
では、BIとBAを利用することで具体的に何ができるのでしょうか。
まずBIでは、蓄積されたデータを利用して「現状分析」(過去の分析を含む)を行います。主にグラフィカルな視覚化によってそれを実現します。
BIは従来、企業のシステム部門が、売上分析、利益分析など全社的なレポーティングをする際に使うものと想定されていました。しかし、近年では営業部門などに使用される「セルフサービスBI」が普及しています。セルフサービスBIは現場のスタッフが自らデータを収集・分析してレポートを作成できる仕組みのことで、BIツールの機能の一部や、BIツールサービスとして提供されています。
これに対し、BAでできるのは将来の状況の「予測分析」と、意思決定のための「提案」です。BIによって得た情報をもとに、ユーザーは次にどのようなことが起こるのか、そしてそれに対してどのようなアクションを取るべきなのかという「Suggestion(提案)」を得ることができます。
現在あるBA関連の製品は、BIツールにBAの機能を付加したものや、BI/BAソリューションとして提供されているものが主流です。それらは、経営情報などのデータを多角的に分析して提案することで、経営の意思決定を支援するといった機能が備わっています。また、売上や顧客行動を予測するツール、あるいはサポートセンターで今後増える問合せやクレームを予測するようなツールも存在します。
ビジネスアナリティクス(BA)を成功させるためのポイント
BAソリューションの導入を成功させるためには、社内の情報システムに存在するデータがしっかりと統合されている必要があります。
その際、多くの企業で問題となるのが、データのサイロ化です。異なる部署や拠点間で様々なシステムやアプリケーションなどが存在しているが故に、データが分散し、正しくデータを活用できないという問題にぶつかってしまいます。
では、どのようにすれば正しい形でデータを統合できるのでしょうか。その答えとなるのが、「データ統合プラットフォーム」の構築です。データの取得、変換、加工・集計、保護、そしてBAツールなどの他システムへのデータ提供などの作業を支援するプラットフォームを作ることにより、BAだけでなく、今後のデータ活用のためのすべてベースとなるシステム環境にすることができます。
データ可視化の重要性
BI/BA いずれにせよデータの可視化は非常に重要です。企業にいるデータ分析のスキルレベルは様々です。企業内には、SQL文を書けるデータサイエンスのスペシャリストからIT部門、役員や営業担当まで様々な人が組織にはいますが、企業全体がデータを元に意思決定できるようになるためには、すべての人がデータの意味を理解し意思決定に利用できるようにする仕組みが必要です。これを担うのが、BI/BAツールを活用したデータの可視化です。
インフォマティカの「Informatica Intelligent Cloud Services」は、クラウド型のデータ統合ソリューションです。社内アプリケーションのデータベースやファイルはもちろん、オンプレミス・クラウド間のデータを統合して、データ統合プラットフォームの構築を可能とします。また、「データ仮想化」の技術を応用することで、稼働中のデータベースに手を入れず、データベースを作り直すこともなく、データの統合を実現することができます。
今後、重要度が増していくと思われるBA、その機能を十分に引き出すために、理想的なデータ統合プラットフォームを構築してください。
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