データマネジメントの定義とメリット

最終公開日 : Nov 28, 2022 |
インフォマティカ編集部
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一般的な企業が企業活動で入手するデータは、日々膨大な量に上ります。これらのデータをその後の営業活動や意思決定に生かしていくためには「データマネジメント」が欠かせません。

この記事ではデータマネジメントに使われるツールや手法をはじめ、適切なデータマネジメントが企業にもたらすメリットについてご紹介します。

 

データマネジメントとは

データマネジメントとは、企業が持つさまざまな「データ」をビジネスに活かすための組織的な取り組みのことです。国際的なデータ専門家で組織された非営利団体DAMA Internationalによって策定されたデータマネジメントに関するガイドラインである「DMBOK(Data Management Body of Knowledge)」の中では、データマネジメントについて次のように定義しています。

データマネジメントとは、データとインフォメーションという資産の価値を提供し、管理し、守り、高めるために、それらのライフサイクルを通して計画、方針、スケジュール、手順などを開発、実施、監督することである。

DAMA International(2018)『データマネジメント知識体系ガイド 第二版』(DAMA日本支部・Metafindコンサルティング株式会社 監訳)日経BP

このようにデータマネジメントは単なる「管理(マネジメント)」にとどまりません。管理し利用するための方針を立て、スケジュールや手順を定めてそれを実行し、さらにはその状態を維持・向上させることまで含まれています。

簡単にまとめると、データマネジメントで行うことは以下の5点です。

①データマネジメントの方針・計画を立案する

②データ構造を設計する

③データを蓄積するための仕組みを構築・維持する

④データを利用・管理する

⑤データマネジメントのルールを策定・運用する

 

データマネジメントの当事者

データマネジメントの中心となる当事者は、主に

・データアーキテクト

・データモデラー

・データベース管理者(DBA)

・データベース開発者

・データ品質アナリスト(およびエンジニア)

・データ統合開発者

・データガバナンスマネージャー

・データスチュワード

・データエンジニア

と呼ばれる社内外の専門家たちです。しかしデータを活用する側であるデータサイエンティストやアプリケーション開発者、さらには事業部門のエンドユーザー、さらには経営幹部も、それぞれの立場からデータマネジメントのプロセスに関与します。

 

データマネジメントのツール

データマネジメントには、さまざまなシステムやツールが関係しています。

●データベース:データベースとは構造化されたデータの集合体です。データベースには階層型やネットワーク型などさまざまな種類がありますが、現在はリレーショナルデータベースが主流となっています。

●データウェアハウスとデータレイク:データウェアハウスとは時系列に格納された「データの倉庫」で、一般的なデータベースより大規模です。一方のデータレイクは構造化データだけでなく用途が決まっていない非構造化データも蓄積する、いわば「データの湖」です。

●データベース管理システム:データベース管理システム(DBMS)とは、データベース内に格納されたデータを整理し、検索し、更新を行い、共有するためのソフトウェアです。

●データ統合:データ統合とは形式や種類が異なるさまざまなデータを統合して、利用しやすくすることです。一般的な統合プロセスはExtract(抽出)・Transform(変換)・Load(格納)の順で行われ、それぞれの頭文字を取ってETLと呼ばれます。一方、高性能なクラウドデータウェアハウスではデータの取り込みを高速化したELT(Extract・Load・Transform)も利用されます。

●データガバナンス・データクオリティ:データガバナンスは、データの収集・保管や利用、保護、アーカイブ、削除に関する一連の手順を含め、データ管理に関するポリシーや指標を定義することです。一方、データクオリティとはデータ利用者のニーズに合わせてデータの品質を調整するプロセスのことです。

●マスターデータマネジメント:マスターデータマネジメント(MDM)とは、社内のデータを一元化し、品質を確保するプロセスのことです。

●データモデリング:データモデリングとは、データの構造を整理し、データに関する要件の洗い出しと分析を行うプロセスです。この手順を踏むことでデータを効率的に扱えるようになります。

ここで紹介したものを含めデータマネジメントに関する統一的な定義や知識は、全世界のデータ専門家のための国際的な非営利団体、DAMA Internationalが刊行するDMBOK(データマネジメント知識体系ガイド)にまとめられています。

 

データマネジメントがもたらすメリット

データマネジメントのメリットとして挙げられるのは、大きく分けて2点です。

 

①ビジネスのチャンスを広げる

データマネジメントによってデータの利用が効率的になると、より正確・迅速な意思決定が可能になります。これは市場のニーズを敏感にとらえ、市場でライバルより優位なポジションを獲得することにつながります。

 

②ビジネスのリスクを減らす

データマネジメントのプロセスは、データの保有や活用が各国のデータ規制(たとえばEU 一般データ保護規則)に抵触したり、データ流出などのセキュリティリスクにさらされることから企業を保護します。またデータ管理の属人化を防ぐことで、担当者が交代しても安定したデータ利用が可能です。

このようなメリットを最大限に享受するには、データマネジメントのソリューション選びも重要です。インフォマティカではInformatica Intelligent Cloud Services(IICS)と呼ぶ次世代iPaaSを提供しており、過去7年に渡り業界をリードしてきました。

データマネジメントのプロセスにおいてIICSがどのように役立つか、詳しくはhttps://www.informatica.com/jp/products/cloud-integration.html をご覧ください。

First Published: Dec 15, 2021