クラウドに移行時に発生するコストとランニングコスト

Jun 21, 2018 |
インフォマティカ編集部

オンプレミスからクラウドへの移行にあたっては、(中身をそのまま移すといった単純な移行でなければ)データ移行作業や、環境に合ったカスタマイズなどにかかるイニシャルコスト、そして運用開始後には月々のランニングコストが発生します。クラウド移行に伴うメリットを最大化しながら、最適なコストマネジメントを実現するにはこれらのコストに関する情報を知っておくことが大切です。クラウド移行、運用に伴うコストについて紹介します。

 

オンプレミスからクラウドに移行するメリット

自社にシステム環境を構築して利用するオンプレミスではかなりの初期コストがかかり、また運用段階に入ってからもシステム管理コストが負担となります。

一方、クラウドの場合は、初期費用はオンプレミス環境に比べて低く抑えることが可能です。サーバーの追加やシステム変更も安価に、柔軟に実現できます。オンプレミスからクラウドに移行すれば、こうしたコスト面でメリットがあるだけでなく、アカウント登録後すぐにシステムを利用できる、社員の運用負荷が減るといった恩恵を受けることができます。

しかし、クラウドに移行すればすべての面でポジティブな結果が得られるというわけではありません。コスト面だけに着目しても、クラウドに移行するときはその移行コストがかかり、また運用段階ではランニングコストを支払い続けることになります。

 

オンプレミスからクラウドに移行する場合の発生コスト

では、クラウドに移行する場合に発生するコストにはどのような種類があるのか、もう少し詳しくみてみましょう。

 

1.初期投資などのイニシャルコスト

イニシャルコストとして初期契約費用、初期設定費用などが発生します。ただ、総じてクラウドの初期費用は低く抑えることができ、契約費用などは、サービスによっては無料ということもあります。

 

2.システムインテグレーションコスト

既存の大規模なシステムをクラウドに移行する場合には、アーキテクチャの変更による影響分析やリスク分析といった作業が必要になります。またそれに基づいた要件定義、方式設計、機能設計といった一連のシステム設計を行います。こうしたシステムインテグレーションのためのコストも必要となります。

 

3.運用管理をするための人的コスト

クラウド環境によるシステムを運用管理するための人的コストも発生します。通常、自社サーバーなどの管理作業がなくなるため、運用負荷は減るはずですが、既存システムを一部残すハイブリッドクラウドを採用した場合や、業務部門がそれぞれにクラウドサービスを利用することによってシステムが乱立してしまう場合などは管理が煩雑化してしまうこともあります。

 

4.月額制や従量制、もしくは複合の場合のランニングコスト

月額制や従量制、もしくは両者の複合による料金体系で支払うことになるランニングコストも必要です。利用料金はサーバー、ストレージ、データ転送、外部ネットワーク、そしてデータセンターの立地やハードウェア冗長化などのハードウェア面でのセキュリティ、不正アクセス防止策やデータバックアップ、通信の暗号化などのソフト面でのセキュリティ対策など種類別にかかることが多く、これらを合計した額が月々のコストになります。

 

クラウドへ移行する場合に気をつけたいポイント

クラウドに移行する際に必要となるコストは、基本的にシステム規模や利用人数に応じて増大していきます。特に既存のシステムが複雑で、その企業ならではの業務に特化したアプリケーションが多く使用されている場合などは、システムインテグレーションのための費用が大きくかかることも考えられます。

逆に、新規で最小に近い構成でシステムを組むのであれば、クラウドサービスは月に数千円程度に抑えることが可能です。その後、必要に応じて徐々に規模を拡大していったとしても、最初からオンプレミスで環境を作り上げるよりはるかに安価にシステムを導入し、運用することができるでしょう。

クラウド移行、あるいはクラウド導入時に気をつけたいのは、このように企業ごとの現状やニーズによってコストに大きな差が生じるという点です。

また、クラウドサービスを提供するITベンダーによってもコストは変わります。その場合は、必要な機能が用意されているか、セキュリティが万全かといった点から、コストパフォーマンスに優れているかどうかを判断する必要があります。

 

クラウドサービスの利用を検討であれば、上記のような移行コストやランニングコストについて十分なシミュレーションをして、導入の検討材料にしてください。