【パートナーブログ:ALSI】Cloud Application Integration(CAI)とApigeeによるデータ連携と公開

最終公開日 : May 17, 2022 |
インフォマティカ編集部
インフォマティカ編集部

■はじめに

 さまざまな機能やデータがAPIによって繋がっているという世界があります。近頃のWeb系の開発ではデータはAPIにリクエストしてレスポンスとして取得するものととらえ、これまでのようにデータベースと接続しデータベースを操作するプログラムを開発していくというスタイルをとらない場合もあるようです。

Informatica Intelligent Cloud Services(以下、IICS)には様々な機能があります。今回はCloud Application Integration(クラウドアプリケーション統合:以下、CAI)をご紹介してAPIによるデータ連携について見ていきたいと思います。

Cloud Application Integration(CAI)の概要はこちら

 

■APIで提供される外部データを利用してデータの価値を高める

これまでのデータ統合のイメージは社内のDBからデータを抽出してデータの加工を行い社内のDBへデータをロードするといった社内で所有するデータに注目したものが多かったのではないでしょうか。

一方、社外にはオープンデータや情報サービスから取得出来るデータなど有用なデータがあります。これらのデータはリアルタイムに変化するものやひとつの企業だけでは収集し所有することが困難なものがあります。「餅は餅屋」ということで所有することが難しいデータは外部のデータを利用することも一つの手段だと思います。

昨今、オープンデータや外部の情報サービスとのデータ連携はAPIを介して行われるケースが多くなっています。外部APIとの連携と言うとプログラミングによる実装をイメージされるかもしれませんが、CAIではGUIを使用しノンプログラミングでAPIを介したデータ連携を実現出来ます。

 例えば工事に関する企業内のデータと外部のデータの活用を考えてみました。企業内には住所、緯度、経度などの情報があるとします。この情報に外部の気象情報や土の情報を組み合わせると作業環境や土の掘りやすさといった情報が読み取れるようになります。さらに土の処理方法なども見えるようになるかもしれません。外部の有効な情報を付加することでデータの活用が進みそうです。

 このように外部のデータを組み合わせることでデータの価値を高められそうです。

IICSはブラウザ上でGUIを使用したデータ連携の開発や、データ連携処理の実行状況のモニタリングや、APIの管理を行います。ブラウザから操作するためアプリケーションのインストールが不要ですぐに使用することが出来ます。先ほどのデータ連携処理をCAIで実装すると以下のようになります。

 ご覧のとおりGUIのみで実装出来ます。アイコンをドラッグ&ドロップし必要な設定を行うことで外部データを利用したデータ活用ニーズに迅速に対応出来ることがお分かりいただけるかと思います。

■データをAPIで公開

 上記で作成した付加価値の高いデータを他システムやグループ会社へ展開し活用の範囲を広げたいというニーズが出てくると思います。従来のポイントto ポイント型のデータ連携の場合はデータの連携元と連携先の準備が整い足並みが揃っていないとデータ連携処理の開発を進められませんでしたがCAIでは先ずAPIでデータ配信する部分を作成し、後からデータを利用する方々がデータの取得処理を実装することが出来るようになります。これによってデータ配信側主導でデータ連携の整備を進めることが出来るようになるかと思います。

このようにAPIを介したデータ連携を行うとレスポンスが共通のデータフォーマットで返されるのでデータを利用する各システム、グループ会社にAPIの利用が浸透すればデータの共通化を進めることが出来るかと思います。公開したAPIはswaggerまたはWSDLが参照可能になっているのでデータを利用する方々は迷うことなくデータを利用することが出来ます。

※ポイント toポイントによらないデータ連携としてHub and Spoke型があります。Informatica Data Integration Hubを使用したHub and Spoke型のデータ連携のお話はまた別の機会がございましたらその時にでも。

 

■Apigee(Google API)を使用したAPIの公開

 素晴らしい価値のあるデータが出来たらAPIをApigeeで公開することも出来ます。IICS+CAIだけでAPIを公開することも可能ですがApigeeを使用すると以下のことが実現出来ます。

  • APIにOAuthなどの認証機能を追加
  • APIにユーザー単位で利用量の制限をかける
  • APIに対して課金する(データをマネタイズする)

など様々な機能を利用することが出来ます。

 インフォマティカとApigeeはパートナー関係にありますのでApigeeを利用したAPIの公開を検討してみてはいかがでしょうか。Apigeeの利用料金はApigeeのwebサイトからご確認ください。

 

■さいごに

いかがでしたでしょうか。企業内のデータにAPIで提供される外部データを組み合わせたデータ活用のシナリオを考えてみました。ちょっと前まではシステムの関連図を描くときにデータを表す図形として円柱(樽)を描いたものでしたが最近はAPIによるデータ連携が増えて円柱(樽)がシステムの関連図に描かれない場合もあるようです。APIによるデータ連携のニーズが増えてきたなかで、Cloud Application Integration(CAI)を活用した迅速なAPIの開発と管理を検討してみてはいかがでしょうか。

ALSIは、Informatica Intelligent Cloud Servicesの活用や導入支援に早くから携わっており、活用方法やシステム構築の経験とノウハウを多く持っております。Cloudを活用したデータ連携をご検討の場合は、ぜひ一度ご相談ください。

 

【会社紹介】

アルプス システム インテグレーション株式会社(ALSI〔アルシー〕)は、グローバルに事業を展開するアルプスアルパイン株式会社のグループ会社です。製造現場で培った経験・ノウハウが豊富なALSIは、業務支援システムのコンサルティングから構築、保守・運用まで、ITソリューションをグローバルで提供し、「お客様の満足」を実現します。

ALSIがご提供する『データ連携・統合基盤プラットフォームサービス』は、製造業を中心とした豊富な導入経験を生かし、お客様のシステム統合ニーズに沿ったインターフェース開発標準を実装工程前に構築し、効果的な開発を実現することで、導入メリットを最大限に引き出します。

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First Published: Aug 06, 2019