【パートナーブログ:BENG】DX成功のカギはデータ活用基盤の整備にあり!
昨今、企業の基幹システムの刷新・新規システムの導入プロジェクトにおいて「DX(Digital Transformation)」というキーワードを必ずと言っていいほど目にします。
DXの定義は色々ありますが「企業がデータやデジタル技術を活用し、組織やビジネスモデルを変革し続け、新しい価値を生み出すこと」と解釈できると思います。多くの企業では「顧客への提供価値の向上、業務効率性・生産性の更なる向上」のため、このDXを推進しようと日々奮闘されています。
本ブログでは「DX時代におけるデータ活用基盤」をテーマに、データ整備 及び MDM導入のポイントについて一緒に見てきたいと思います。
DX時代のデータ活用って?
データ活用と言うと一般的には、BI(Business Intelligence)という言葉が頭の中に浮かびます。
近年では、DXというキーワードを背景にBIのコンセプトが大きく変わってきています。
ざっくり言うと
・従来:KPIという明確な経営指標・業績指標を定義し、そのパフォーマンスを可視化する(従来型BI)
・昨今:利用者が業務のために、自身でデータを分析・加工し活用する(セルフサービスBI)
このように整理でき、BIの前提となる「データ整備のアプローチ」が大きく違います。
ここでは、セルフサービスBIを実現する仕組みを「データ活用基盤」と位置づけ、その成功を左右する3つのポイントについて整理しました。
①思考の幅を広げる「データ同士の繋がり」がカギ!
データ活用基盤では、「利用者が興味あるデータを起点に新たな気付きや発見を促す仕組み」が必要です。
例えば、上司から『食品製造β社向けのTVコマーシャルの提案をしてくれ!』と依頼された場合、おそらくあなたは、まず、データ活用基盤を利用し、過去の食品メーカー向けの提案情報を探そうとするはずです。。
結果、同業種の案件を受注した半数近くは、担当営業Aさんが関わっていることが判明します。
次に、Aさんにフォーカスしてみると、この業種の受注では特定の映像制作会社に発注していることが分かる・・・・。
話をずいぶん単純化していますが、このように「業務データ間の繋がり」を持たせることで、以下のような効用が得られます。
- 受注獲得する上で何が主要な要因となっているのか
- データのドリルダウン(ここでは、提案情報→担当営業→取引先の流れ)により、思考をスムーズに展開できる。
データ同士の繋がりを整理していくことは、データモデリングと言われる作業領域ですが、セルフサービスBIの成否に関わる重要なポイントです。
②データ統合を支えるのは「名寄せ」の仕組み
業務アプリケーション(CRMシステム、受注システム等)から顧客データなどを単純に集めると、実体は同じ顧客なのにシステム上は違った顧客と捉えてしまいます。この場合、顧客別売上データを集計すると売上金額が重複してしまい、手作業で集計内容を補正する必要が出てきます。業務運用を変えるのは現実的には難しいので、『収集してきたデータをいかに統合化(名寄せ)するか?』といったことも大きなテーマとなります。
そこで登場するのがマスタデータを統合管理する「MDM(Master Data Management)」であり、一緒に考えていくことが必要となります。
以前は、MDMのツール(データクレンジング→名寄せ候補の確認→名寄せ処理)を活用し、大きな労力をかけ業務データの統合をしてきました。しかし、最近では企業データベースを提供する事業者が「名寄せ候補を特定する外部サービス」などを提供しています。1つの選択肢として、MDMとこのような外部サービスを組み合せることで、名寄せ業務の運用負荷を減らすことができます。
③最初から「100%のデータ整備」を求めない?
セルフサービスBIでは、上述のように「利用者に活用方法を委ねている」部分が大きいです。そのため長年蓄積してきた広範な業務データを集め、活用しやすい形で整備していくことが重要なポイントとなります。
「データを集めるだけだから、簡単じゃないの?」と思われるかもしれません。ところがどっこい大変な作業・道のりとなるのです。実際に業務アプリケーション側からデータを集め確認してみると、以下のような問題が見受けられます。
- 当初想定していたフラグの使い方(意味)が、途中で変わった。
- 1つのフィールドに、違ったコード体系のものが登録されている。
これはビジネス環境の変化に合わせ、現場担当者が知恵を絞り業務オペレーションを変更させてきた結果とも言えます。
莫大な業務データを導入期間中に100%整備するのには、とても労力がかかります。
「本番運用してからがデータ整備の出発点」と言うくらいの気持ちで、データ品質は多少目をつぶり、スピード重視でまずは始めて行きましょう。
おわりに
現在、システム導入の企画は「DX」が主流となっていますが、『何を達成するのか』といったことが以前に比べ「漠然」「抽象的」な印象を受けます。前例がないことにチャレンジしているので、仕方がないと思います。ただ言えるのは、DXという旗印のもと何を実現・達成するにしても、「企業としての最大の資産=データ」が土台の一部になっていることです。データを収集・整備していくのは、時間も労力もかかる非常に泥臭い作業となります。しかし、これこそがDXを成功させるパワーの源泉だと思います。
弊社では、この「データ活用基盤の導入」をお客様と共に推進し、お客様のデータの利活用を促進する「データエンジニアリングサービス」をご提供しています。長い道のりではあるが、着実に、データ利活用環境を整えたい、とお考えの際は、ぜひB-EN-Gにご相談ください 。
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