企業とサプライヤー関係情報を戦略的に管理する方法
最新かつインテリジェントな360度ビューを実現するクラウドネイティブソリューション
サプライチェーンの継続性は、世界中のあらゆる業界で最重要視されているものです。昨今では、2020年のパンデミックをはじめ、継続的なロックダウン、自然災害、地政学的な不確実性などが原因となり大きな混乱が続いています。
マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査1によると、93%の組織はサプライチェーンの柔軟性、アジャイルさ、回復力の改善に励んでいるという結果が得られました。しかし、 世界経済フォーラムの調査2を通して、サプライチェーンに関する世界的な混乱に十分な対策ができている企業はわずか12%であることが分かっています。
重要な供給の確保、混乱の事前対処、サプライヤーの支出削減、持続可能な目標のサポートなどを実現するためには、サプライヤーのデータやネットワークとのコラボレーションおよびコミュニケーションを改善する必要があります。ここで求められるのが、迅速なオンボーディングを可能にする自動的なワークフローと、完全で最新のサプライヤープロファイルに対する可視性を備えた、単一かつ信頼性の高い360度ビューです。
大抵の場合、データは不完全で、古く、重複していて、複数のサイロ化されたシステムに散乱した状態にあります。そのため、サプライヤーに関する的確な洞察を得るのは困難な作業なのです。以下は、サプライチェーンや購買の担当者がサプライヤーとの関係を戦略的に管理しようとする際に弊害となる要素をまとめたものです。
1.サプライチェーンに関する可視性の限界
購買やサプライチェーンの担当者がサプライチェーンの継続性を確保できず、サプライヤーと製品を効果的・戦略的に管理できない主な理由は、サプライチェーンに対する可視性が限られているためです。
デロイト トーマツ グループが実施した最新の Global CPO Survey3によると、ティア2以上のサプライヤーを可視化できているCPO(最高購買責任者)はわずか15%であることがわかりました。サプライヤデータは、断片化・サイロ化され、品質が不十分な状態で放置されていることが多くあります。サプライヤデータとサプライヤネットワークを完全に把握していない場合、それが可視性の低さに直結してしまうのです。これにより、以下のような問題が発生します。
- サプライヤーの支出に関する総体的な把握ができず、サプライヤーのコスト削減を阻害する
- サプライヤーのパフォーマンス監視、サプライヤーリスクの分析、持続可能性の検証、コンプライアンス監視する能力が低減する
- サプライヤーデータが古くなっている、不完全である、間違っていることなどが原因で、サプライヤーの関係管理やサプライヤーとのコミュニケーションが無効・不十分な状態に陥る
- サプライヤーと、サプライヤーが提供するサービス・製品との関係に対する可視性が低くなる
2.効果がないうえに時間のかかるサプライヤー関係管理
サプライヤー関係管理のワークフローを自動化・標準化していない場合、購買およびサプライチェーンの担当者は、サプライヤーのライフサイクルや情報の管理、電子メールやExcelスプレッドシートの交換などの作業に多くの非効率な時間を費やすことになります。
- オンボーディングやサプライヤー管理など、社内のプロセスやワークフローが遅い場合、会社の目標達成に支障をきたす
- サプライチェーンの混乱を回避し、サプライチェーンの多様化を強化する代替サプライヤーを迅速に特定することができない
サプライヤーネットワークを理解し、強力なサプライヤー関係を構築することは、可能な限り最適な量とタイミングで製品・サービスを提供するために不可欠な要素です。またこれは、最終的に優れたカスタマーエクスペリエンスを保証するための前提条件となります。同時に、組織はよりアジャイルかつ柔軟に、市場の変動と顧客からの需要の変動に適応する必要があります。
Supplier 360 SaaS-グローバルで現代的な企業向けに設計された、インテリジェントなクラウドネイティブソリューション
今週ラスベガスで開催されたInformatica World 2022で、企業全体のサプライヤー情報を戦略的・一元的にマスターおよび管理するクラウドネイティブソリューションであるSupplier 360 SaaSを発表しました。Supplier 360 SaaSは、最新かつインテリジェントな機能がオールインワンでまとまったサプライヤー情報マネジメントソリューションであり、サプライヤーとの強力な関係を構築・維持するのに役立つ設計が施されています。Supplier 360 SaaSを通してサプライヤーとのやり取りが改善されることで、品質、数量、納入品の納期厳守、サプライヤー支出、コンプライアンス、リスク削減、多様性、持続可能性といった観点から、可能な限り最高の結果を得ることができるようになります。
Supplier 360 SaaSは、組織がサプライヤーとの関係を理解、管理、可視化するための新たな方法を提供します。これにより、運用コストと調達コストを削減し、非効率性を減らし、市場投入までの期間を短縮します。
Supplier 360では、以下の機能を通してサプライヤーをより適切に管理することができます。
- 信頼性が高く、最新かつ完全なデータと自動化されたワークフローにより、サプライヤーとのコラボレーションや相互作用を合理化する
- 代替サプライヤーを迅速に特定し、サプライチェーンの多様化を促進することにより、サプライチェーンの継続性を向上させる
- ティア1、ティア2、およびティア3のサプライヤー全体にわたるサプライチェーンの可視性を改善する
- サプライヤーの支出にアクセスし、より有利な企業割引につながる交渉をサポートする
- サプライチェーンの俊敏性を高め、サプライヤーのオンボーディングを迅速化することで業務の生産性につなげる
- サプライヤーのパフォーマンスを監視し、リスク評価やコンプライアンスを自動化することにより、サプライヤーのリスクを防止する
- サプライヤーのサポートを確保し、持続可能性基準を順守する
- サプライヤー、製品、顧客のマスタデータに関する総体的なビューを提供する
Supplier 360 SaaSでは、クラウドテクノロジーの柔軟性とアジリティを活用することで、信頼性が高く、完全で、一貫性があり、管理の行き届いたサプライヤーデータが提供されます。Supplier 360 SaaSのソリューションは以下で構成されていますす。
- 利用や設定が簡単でビジネスに適したユーザーインターフェイスにより、安全かつ適切な方法でマスターデータを探索、可視化、管理
- 自動化されたワークフローにより、新しいサプライヤーを迅速に導入・承認
- すぐに使い始められるユーザーインターフェイスで、あらゆる業界に適したアプリケーション構成を迅速に実施
- AI主導のデータ照合とスマートフィールドを備え、あらかじめ組み込まれているスマート化とオーケストレーション
- インフォマティカの提供する最高クラスのiPaaS機能を使用し、任意のレイテンシでのデータ統合を組み込み
- 柔軟かつモジュール式のマイクロサービスアーキテクチャにより、拡張やアップグレードへの適応を改善
合わせて読みたい:クラウドネイティブではないマスターデータ管理に隠された5つの落とし穴
1 マッキンゼー・アンド・カンパニー、How COVID-19 is Reshaping Supply Chains(新型コロナウイルスによるサプライチェーンの変化)、 Knut Alicke氏、Ed Barriball氏、Vera Trautwein氏共著、2021年11月23日
2世界経済フォーラム A.T.カーニー社との共著によるホワイトペーパー、 “The Resiliency Compass: Navigating Global Value Chain Disruption in an Age of Uncertainty(レジリエンス・コンパス:不確実な時代におけるグローバルバリューチェーンの破壊をナビゲートする)”
3デロイト トーマツ グループ Global CPO Survey 2021
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本ブログは2022年5月31日のANTONIA RENNERによるStrategically Manage Supplier Relations with Informatica Supplier 360 SaaSの翻訳です。