データウェアハウスとは?

最終公開日 : Nov 28, 2022 |
インフォマティカ編集部
インフォマティカ編集部

データウェアハウスとは?

データウェアハウスとは構造化されたデータを集約したデジタルリポジトリのことである。その名前の通り、構造化データソース(SQLデータベースやExcelファイルなど)を格納する場所です。ただし、データが雑然と放り込まれて山積みになった倉庫スペースとは違います。散らかったガレージで探し回ったゴルフクラブが、クリスマスツリーの裏側に隠れているのを見つけたことがある人なら、整理されたデータウェアハウスの素晴らしさを理解できるでしょう。

異種データの統合とデータウェアハウスへの格納

どんな構造化データのセットでも保管できるデータウェアハウスというインフラによって、さまざまなデータソースから実際に役立つビジネス情報を引き出せるようになります。

データウェアハウスでは複数のソースに由来するデータを一元化できるので、時間の節約につながります。見つけやすいデータは使いやすいものです。さまざまなソース由来のデータセットが中央の決まった場所に保管されていれば、より迅速で正確なデータ分析が可能です。

重要なデータを一元的に俯瞰することで、重大な局面で十分な情報に基づいた意思決定を下すことができるのです。

 

データベースがあってもデータウェアハウスは必要

ツールにはそれぞれ得意不得意があります。オペレーショナルデータベースに対して複雑なクエリを実行すると、ある状態に固定されてしまいます。トランザクションデータベースを使用しているときに、こうした処理の遅延は許されません。データウェアハウスを使用すれば、処理速度に影響を与えずに膨大なデータを分析することができます。これによって、常に最新のビジネス分析と洞察が得られるのです。

 

データ品質の優位性

ローデータを使って実用的な洞察を導き出すために、データウェアハウスには卓越したデータマネジメントとマイニング力が必要です。高品質なデータがなければ、データアナリティクスもうまく機能しません。

機械学習 (ML) やその他のAI技術により、データのマッピング、変換、クリーニングを行い、重複する項目、古い情報、データエラーを削除するデータ品質ルールを適用することができます。これらの処理により、データウェアハウス内のあらゆるタイプのデータをクリーンで整理され、ビジネス分析を行い明晰な洞察を得るための最高の基盤となるでしょう。

 

従来型データウェアハウス 対 クラウド型データウェアハウス

従来型データウェアハウスとクラウド型データウェアハウスのアーキテクチャの違いは、手近さと柔軟性にあります。

従来型データウェアハウスはオンプレミスです。これはある種の法的な要求事項にとって不可欠ですが、それ以上にミッションクリティカルな作業に関連するケースも多いのです。

たとえば、会社の最高収益責任者がデータウェアハウスに対して、至急クエリを実行しなければならないとします。これは、次の数週間にわたって影響を及ぼす様々な決定を下すための、定期的な作業です。こうした場合、エンタープライズデータをオンプレミスで保管すれば、作業の継続性が保証されます。使い慣れたオンプレミス型のデータウェアハウスがありながら、クラウドへの移行中に、実務に関係するデータを確認できなくなるのは望ましくないと思うでしょう。

しかし使用中の従来型データウェアハウスに利点があるように、クラウドにも多くのメリットがあります。クラウド型はより安価で早く、スケーラビリティが高いのです。多くのユーザーがアクセスしやすく、データガバナンスと保護に優れているのも利点です。あらゆる形式(構造化、半構造化および非構造化)のデータを、より効率的に処理することもできます。

両者の利点を一つに

幸い、従来型とクラウド型は二者択一というわけではなく、データ統合を行えば併用が可能です。これによって、データをウェアハウス間で移動させることなく、別々のソース上でのデータマイニングを行うことができます。

抽出、書き出し、変換(ELT)および抽出、変換、書き出し(ETL)のプロセスを併用し、クラウドかオンプレミスかを問わず、ローデータをソースからウェアハウスへ、またはデータマートのような下位のデータベースへ移動できるのです。

 

データウェアハウス 対 データレイク

データウェアハウスもデータレイクも、データの集約システムです。違いと言えば、前者が構造化データを保管するのに対して、後者は配信サービスやSNSといったソース由来の非構造化データも取り込めるという点です。

構造化されていないソース由来の膨大なデータを処理する必要性が高まっているため、データレイクの利用は広がっています。企業は複数のデータソースに頼っており、構造化されているか否かを問わずデータマイニングを行う必要があります。データウェアハウスは、様々なデータ形式と負荷に対応することができません。集約システムとはいえ、予測できない負荷に対してはフレキシブルでもスケーラブルでもないのです。

非構造化データを処理できるという価値は高い一方で、データウェアハウスには安定性という長所があり、構造化データに対しては安定して高パフォーマンスを発揮します。つまり一定水準の安心感と信頼感があるのです。しかしスケーラビリティの問題により、多くの企業はコスト効率の高いソリューションを求めて、オンプレミス型のデータウェアハウスからクラウド型へ移行しつつあります。

データウェアハウスまたはデータレイクが、 Snowflake MicrosoftAzureGoogle CloudAmazon Web Services (AWS)など、どの環境にあっても、インフォマティカはデータから価値を引き出すのに役立ちます。

インフォマティカのIntelligent Data Management Cloudについて、詳細をみる。

 

データウェアハウスのメリット

高品質なデータによる作業

質の高いBI促進に必要なインフラを提供し、データの可視化によってトレンド把握やビジネス戦略の策定に力を発揮、ただしこうした有益性はデータの質に依存します。データウェアハウスでは、期限切れまたは不要な情報を簡単に削除し必要な意思決定を確実に支援することができます。

 

より優れた分析機能で時間を節約

データウェアハウスは、データ保管に関わる時間の節約に役立ちます。さまざまデータソースをすべて整理、クレンジングして保管できるからです。また、バッチ分析の処理を日常的に可能にします。データウェアハウスこそ、優れたデータベースマネジメントの鍵なのです。これにより、運用システムへのデータフローを妨げることなく、重要なデータ分析に着手できます。クラウド型データウェアハウスは効率を大幅に向上させる一方、オンプレミス型データウェアハウスで法的な要求事項、データプライバシー、またはレイテンシの問題に対処しなければならない場合もあります。

 

コスト削減と迅速な洞察

データウェアハウス内のクリーンなデータは、より迅速な洞察を可能にし、より良い意思決定のための情報提供につながります。さらにクラウド型のデータウェアハウスなら、低コストでスケーラビリティーを実現しながら結果を出すことができます。クラウドで効率化することは、大幅な節約になります。

 

長期的な意思決定の改善

指先ひとつでかつてないほど多くの情報が得られるなら、機会を逃した言い訳も減らせるはずです。洞察力の欠如が障害にならないように。データウェアハウスシステムは、新しいデータと履歴データの双方を活用して、当たりを増やし、ミスを減らすことができます。

 

インフォマティカのデータウェアハウスソリューション

データの品質からカタログ化、ガバナンスまで、どのデータウェアハウスを使用しているかを問わず、インフォマティカは最も包括的なデータマネジメントソリューションを提供しています。クラウドに移行する場合、またはハイブリッドソリューションが必要な場合など、インフォマティカなら以下のような分野で優れたデータ分析を実現できます。

      医療分野

      製造業

      官公庁、公共部門

      金融、保険、証券

業界によってデータは異なりますが、インフォマティカのソリューションならベストプラクティスを実現するとともに、セキュリティと強力なデータウェアハウスマネジメントを保証します。

 

データウェアハウス導入の成功事例

インフォマティカのデータマネジメントおよび統合ソリューションが、お客様に大きな利益をもたらした実例をご確認ください。

この事例はほんの一部です。データウェアハウスをさらに活用することもできます。インフォマティカのIntelligent Data Management Cloudの詳細を知り、その有用性をご確認ください。

 

      アブダビ文化観光局(DCT

経済的影響を測定するために、アブダビのDCTは来訪者数とその活動を計測すると同時に、データウェアハウスをクラウドに移行する必要がありました。ホテル、美術館、観光地からのデータに関して、情報を整理し、使いやすくするための自動化されたシステムが求められていました。インフォマティカのData QualityおよびCloud Data Integrationを導入したアブダビDCTはクラウドに移行し、データをクレンジングして、観光に関する洞察の正確さを高めることができました。その間に労働時間を年間2,000時間以上も削減することができたのです。

 

フィーディングアメリカ(Feeding America)

飢餓の問題を解決するのは容易ではありません。食糧支援と金銭的寄付を処理するため、すぐれたシステムを必要としていました。彼らが求めていたのは、すべての寄付を最大化するのに役立つクラウドベースのソリューションでした。インフォマティカの Cloud Data Integrationを導入した「フィーディングアメリカ」は、12を超える内部システムからデータをコンパイルしたり、ライブデータを追加したりすることで、適切な量の適切な寄付を適切な場所に、確実に届けられるようになりました。このセキュアなシステムにより、寄付金も20倍に増加しました。

 

こうした事例はほんの一部です。データウェアハウスをさらに活用することもできます。インフォマティカのIntelligent Data Management Cloudの詳細を知り、その有用性をご確認ください。

 

 

本ブログは、What Is a Data Warehouse?の翻訳です。

First Published: Jun 13, 2022