Informatica World 2022におけるMDMおよび360アプリケーションを活用したベストプラクティスの発表

最終公開日 : Nov 22, 2022 |
インフォマティカ編集部
インフォマティカ編集部

デジタルファーストの世界で競争力を維持するのは、決して容易なことではありません。

そのような中で成功を実現するのは、データの信頼性を確立する必要があることを熟知している企業です。そして、信頼性を確保する方法のひとつとして挙げられるのが、部門間・機能間でのマスターデータとアクティビティデータの統合です。

マスターデータマネジメント(MDM)を通して行うことにより、企業は信頼できるデータに基づいて製品・サービスの革新を行うことができます。

また、顧客をより深く理解することで、カスタマーエクスペリエンスの強化にもつながり、財務データの可視性の向上、組織内の主要なビジネスイニシアチブの推進といったことも可能になります。

今年5月にラスベガスで開催されたInformatica World 2022では、インフォマティカのお客様に焦点をあてたブレイクアウトセッションが非常に好評でした。
実際に参加者からは、インフォマティカのMDMおよび360アプリケーションを使用した組織のベストプラクティスについて聞きたいという声が上がっています。そこで今回は、セッションのハイライトをいくつかご紹介したいと思います。

 

1.Versant Health:Customer 360 SaaSで長期的なビジョンを実現

Versant Healthは、約4,000万人の会員を保有し、目に関するケアサービスを提供する大企業です。最高のエクスペリエンスを目指すうえで、Versant Health社では多様でレガシーな状態にある複雑なシステムを調整する必要を感じていました。つまり、社内外のデータに一貫性を持たせて標準化し、同期した状態にしたいと考えていたのです。

そこで、Versant Healthは、パートナーのLumen DataとともにMDMを利用し、プロバイダー、会員、クライアント、ブローカーのデータ調整を行いました。ブレイクアウトセッションでは、Versant HealthのGman Rajan氏がインフォマティカのCustomer 360 SaaSおよびサービスとしてのデータ(DaaS)を活用し、社内のオンボーディング合理化、医療従事者の管理、生産性と精度の向上に役立てた方法について紹介しました。

 

2.Encino Energy:IICSを使用し、リアルタイムのマスターデータを数週間で実現 

Encino Energy社は、テキサス州を拠点として天然ガス・石油事業を展開する民間企業です。2018年に買収を行ったEncino Energy社では、6か月以内にすべての物理的・技術的資産を把握することに加え、25人から260人以上に増加する従業員数にも対応可能な環境を整える必要がありました。

そこで、同社は既存の「スパゲッティ状態のアーキテクチャ」を排除するべく、資産として活用しうるデータ文化の構築に社内で取り組み始めます。その一つとして、戦略的ガイドラインと論理アーキテクチャに沿ったEncino Operating System(EOS)を作成しました。

アジャイルでクラウドファーストなテクノロジーを確保したことで、Encino Energyでは従業員がタイムリーかつ正確な意思決定を行うことができるようになったのです。

 

3.Pentair社:Product 360を通したMDMによるデジタルトランスフォーメーションと自動化 

Pentairは、水に関する持続可能なソリューションを提供するグローバル企業です。この企業では当初、商品に関する情報のソースが切断されており、一貫性を欠いていることが課題となっていました。そのため、複数のビジネスや言語にわたって商品データを配布することができるような方法を模索していました。

それだけでなく、消費者直接取引(D2C)チャネルとB2Bの顧客に対する商品エクスペリエンスの改善も必要と考えていました。

このような背景から同社がソリューションとして選んだのが、一元化かつ拡張可能な商品情報マネジメント(PIM)です。

このセッションでは、Pentairがデジタルトランスフォーメーションを加速し、商品エクスペリエンスを向上させた方法を紹介しました。また、Myles Chapmans氏からは、複数のPIMワークフローの自動化やオムニチャネル管理の改善を通して大幅な効率化を達成した方法についても説明が行われました。

 

4.データリーダー、テクノロジーリーダーがマスターデータマネジメントを選択する理由と活用方法 

複数の企業によるインタラクティブなパネルセッションでは、データリーダーやテクノロジーのリーダーによるMDMの使用事例が発表されました。AgFirst、American Cancer Society、Hyster-Yaleのリーダーたちは、組織がビジネス上の課題を特定し、マスターデータ戦略を作成する過程を長年にわたってサポートしてきました。

彼らは、企業がMDMおよびデータガバナンスソリューションを導入し、具体的な業務上の価値につなげるために主要な役割を担う存在でもあります。このセッションでは、使用事例の定義方法、ツールの評価方法、導入のベストプラクティスなどについての議論が行われました。

 

5.インフォマティカのSaaSを使用し、シュルンベルジェ社がリアルタイムのビジネスインサイトを推進した方法

ビジネスにおいて、リアルタイムかつ高品質な情報に対する需要はますます高まっています。

グローバルチームが収益性を向上するためには、信頼できるデータを適切なタイミングで利用できることが必須条件となる可能性も出てきました。エネルギー技術の世界的なリーダーであるシュルンベルジェは、これを踏まえてインフォマティカのローコード/ノーコードアプローチを使用し、マスターデータと参考データに関する全社のビューを作成したのです。

そして、現在はこのビューをマルチテナントSaaSアーキテクチャと組み合わせて活用しています。シュルンベルジェのセッションでは、支出に関する可視性の向上、供給マネジメント戦略の改善、リース資産運用の分析、持続可能な活動の一環として環境・社会・ガバナンス(ESG)レポートをサポートする方法についての発表が行われました。

 

6.Amgenが接続性の高いデータファブリックを実現した、全社レベルのMDM 

世界的なバイオテクノロジー企業であるAmgenでは、患者の命を救う治療法を開発するサービスを提供しています。Informatica Worldにおける同社のセッションでは、全社レベルのMDMを通して接続性の高いデータファブリックを実現するまでの取り組みについて発表が行われました。

Amgenでは最初に、ZSアソシエイツの業界専門知識をインフォマティカのIntelligent Data Management Cloudと組み合わせる作業が行われました。これによって、サービスとしてのMDMを使用し、さまざまな事業にわたるエンドツーエンドの使用事例をサポートすることができるようになったのです。
新しいエンドツーエンドのアプローチには、コマーシャル、研究開発、コンプライアンス、サプライチェーン、運用などが含まれます。

Amgenがセッション内で触れたのは、データファブリックを構築するうえで全社レベルのMDMが果たした役割についてだけではありません。データエコシステムの接続を通して浮上した課題についての説明もありました。
また、採用したアーキテクチャのタイプとガバナンス構造に関する情報が公開され、MDMを通して得られたメリットと、今後の展望についても語られました。

 

7.クラウド主導のデータ戦略に向けたFestoの取り組み 

Festoは、自動化、技術トレーニング、技術教育の世界的なリーダー企業です。
61か国に約20,000人の従業員を有する同社では、複雑なプロジェクトを管理し、労働環境の生産性と持続可能性を高める製品や技術を提供しています。そこで活用されているのが、生産性を強化するクラウドベースの製品情報マネジメントソリューションです。

同社の情報マネジメントクロスファンクションの責任者であるMario John氏とParsionate社のTobias Wrobel氏は、サプライチェーンの混乱やロックダウンの中、成功するために組んだデータ戦略について説明しました。さらに、戦略的なビジネス目標の達成に役立つMDMおよびPIMソリューションを導入する際のベストプラクティスも紹介されました。

 

8.Customer 360を使用し、顧客ケアを改善したZBA社 

ベルギーを代表するケア組織の1つである、Zorgbedrijf Antwerp(ZBA)では、約4,000人の従業員が約20,000人の高齢者や若者にケアを提供しています。ZBAネットワークには、医療施設、在宅ケアセンター、ホームサービスなどがあります。

複雑な法律環境のなかでサービスを拡大するために、ZBA社では顧客中心の体制を整える必要がありました。そのためにZBA社が採用したのが、顧客データ管理に対してより集中化されたアプローチです。

 

9.リアルタイムのマスターデータ公開を実現するServiceNowのフレームワーク

ServiceNowでは、クラウドベースのプラットフォームによってよりスマートかつ迅速な仕事の実現に至りました。社内のプログラムを顧客中心にするために必須とされたのが、基幹業務データを共有することです。

また、トランザクションのユースケース(2つのシステムがマスターデータを交換している場合やGDPR規制を施行している場合など)では、データの変化に応じたデータ検出や、リアルタイムの公開ができることが重要です。

このセッションでは、ServiceNowが準リアルタイムの公開を実現したフレームワークをDinesh Kumar氏が紹介しました。また、MDMから同期された正確なデータを取得したあと、それを増え続けるクラウドアプリケーション全体で使用し、価値や実用性を高めた方法についての説明が行われました。そして、このイベント主導アーキテクチャを通して、変更をメタデータで示す場合の柔軟かつ強力な方法についても言及されました。

 

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本ブログは2022年7月6日のANTONIA RENNERによるMDM & 360 Applications Customer Best Practices from Informatica World 2022の翻訳です。

First Published: Aug 14, 2022