Salesforce Analytics Cloud の能力を最大限に引き出すための条件は?
インフォマティカ編集部です。
今回はSalesforceのクラウドアプリケーション連携による顧客データの可視化、ビジネスチャンス発掘の基盤づくりについてお話しいたします。 企業はITを活用し、顧客の購買動機や購買欲求を把握、そのデータを評価、分析することが求められています。そのため、さまざまなクラウドサービスの検討、採用が拡大しています。その中でも、Salesforceのクラウドサービスは、多くの企業で活用されています。特に、『Salesforce Analytics Cloud』は、注目度の高いBIソリューションです。 本ブログでは、Salesforce Analytics Cloud の能力を最大限に引き出す 4 つの方法と、アナリティクスを最大限に活用するためのクラウド統合ソリューションの条件について紹介します。 Salesforce Analytics Cloud の概要 Salesforce Analytics Cloudは、セールスフォース・ドットコム独自の Waveプラットフォームを採用したBIソリューションです。 Salesforce Analytics Cloud上で必要なデータをデータセットに格納すれば、高速な検索クエリ インデックスを使用して、構造化/半構造化データを含むあらゆる種類のデータへアクセスできるようになります。また、動的な視覚化エンジンが、利用者が分かりやすいように情報を表示し、意味のあるデータを提供します。
Salesforce Analytics Cloudではデータソースからデータセットを作成し、データの分析と表示を「レンズ」と「ダッシュボード」を使って行います。レンズとは、データセットに保存されているデータを特定の条件に基づいて抽出し、それをグラフや表として表示するビューのことです。 図 1: データセットを作成し、迅速にデータを取り込み 図 2: 複数の異なるレンズを通して、 データからインサイトを簡単に入手 それでは、Salesforce Analytics Cloud の能力を最大限に引き出す 4 つの方法とアナリティクスを最大限に活用するためのクラウド統合ソリューションの条件を一つずつ見ていきましょう。 1. 顧客の 360 度ビューを構築 Salesforce Analytics Cloud を最大限に活用するために必要なことは、顧客の 360 度ビューの構築です。このためには、バックオフィスの ERPシステムに格納されているマスターデータ情報へのアクセスが必要です。企業によっては、本社が「SAP」を子会社が「NetSuite」を利用しているといったように複数の異なる ERP システムを採用している場合もあります。 各 ERP システムには、製品 SKU のマスター ID 番号や定価/原価、顧客アカウントとその子会社、販売した製品などのすべての情報が格納されています。 そこに含まれる顧客の購買履歴、年齢/性別、関係、購入嗜好などのデータは、最も収益性の高いロイヤルカスタマーに対する洞察を得ることができ、事業拡大の可能性の高い新しい市場セグメントのトレンドを把握することに役立ちます。 複数の ERP システムがある場合、以下の条件を満たすクラウド統合ソリューションを採用すると良いでしょう。 ランタイム時にプッシュダウン オプティマイゼーション可能なバッチ処理機能があり、Salesforce Analytics Cloud のデータセットに短時間でデータを移行できること 集計、結合、その他のデータ変換を可能にする高度なマッピング機能があること SAP、Oracle E-Business、NetSuiteへネイティブ接続できること 2. 顧客満足度を正確に測定 2つめの方法は、アップセルの機会を活用するため、営業担当者が販売見込み客を優先付けできるように、顧客満足度をより正確に測定できる評価指標を持つことです。また、顧客満足度を測ることは、不満がありそうな顧客を早期に発見するための警報システムを構築する上でも重要です。しかし、顧客満足度を測ることは、様々なデータ形式に対して複雑な計算をしなければ、正確な値を出すことはできません。みなさんは、Salesforce Analytics Cloud を利用して、顧客満足度スコアなどの評価指標を確認するには、かなりの作業工数が必要なのではないかと思われるかも知れません。実際に、製品を使用しているというデータは、Teradata、Netezza、Oracle などの複数のデータウェアハウスにあり、カスタマーサポート情報は Salesforce Service Cloud にあるといったデータ分散の問題があります。 データのサブセットだけを分析すればよいのですが、欲しいデータを抽出してサブセットを作成するのは(特にデータウェアハウスの場合)、複雑で時間のかかる作業です。 しかし、Salesforce Analytics Cloud のデータセットは、ユーザーがセルフサービス方式でデータのディスカバリ、探索、視覚化する機能を活用することにより、こうしたデータサブセットを作成する複雑さの問題を解決できます。 複数のデータウェアハウスから Salesforce Analytics Cloud のデータセットに移行する必要があるなら、以下の条件を満たすクラウド統合ソリューションを採用すべきです。 ランタイム時にプッシュダウン オプティマイゼーション可能なバッチ処理機能があり、Salesforce Analytics Cloud のデータセットに短時間でデータを移行できること。 製品使用データはデータウェアハウスから、カスタマーサポートデータは Salesforce Service Cloud から簡単に集計可能で、適切な情報のみをデータセットに格納することでデータ処理時間を最小化できること。 3. 販売実績の評価指標を可視化する 3つめの方法は、販売実績の評価指標を可視化することです。それには、Salesforce Sales Cloudにあるデータに対して高度な分析を行う必要があります。 営業部門に所属する多くの業務アナリストは、分析用のデータセットを準備するために膨大な時間を費やしています。データの結合、集計、エンリッチ化には多くの IT リソースが必要です。そのため、営業部門の管理職向けのダッシュボードの構築には非常に時間がかかります。 評価指標には、商談化するまでの日数、成約までの平均期間、非成約率、最も問題の多い営業段階、アップセルの平均金額、成約までに要した接触回数などがあります。これらは、すべて複雑な評価指標です。 業務アナリストは、これらの評価指標を算出して、その結果を Salesforce Analytics Cloud のデータセットに入力し、他のユーザーが使えるようにしなければなりません。計算結果をデータセットに入れなければ、関係者が販売実績をあらゆる角度から評価できるような指標を提供することはできません。 このようにデータを準備することにかかる手順が多いため、まずはサンプルデータをもとにした分析結果で、レポートとダッシュボードのプロトタイプを作成しなければなりません。プロトタイプを作るときには、業務アナリストは、Salesforce Analytics Cloudのダッシュボードへのデータ出力方法について、直接関わることができます。 販売実績の詳細なレポートと評価指標が必要な場合、以下の条件を満たすクラウド統合ソリューションとデータを準備するソリューションが必要です。 成約率と非成約率のビューなどの複数ビューをテスト実行できること。 集計、結合、その他のデータ変換を可能にする高度なマッピング機能があること。 4. 複数のSalesforce組織を分析する 最後は、複数のSalesforce組織を分析することです。多くの企業は、連携のない複数のSalesforce組織を持っています。例えば、複数の製品チームや業務部門が、独自のビジネスプロセスやバイヤーをサポートするために異なる組織を構築し、サイロ化する場合があります。このような事業基盤では、顧客の 360 度ビューを構築することは非常に困難です。 複数の組織を管理する方法はいくつかありますが、アナリティクスを実行する上で最も効果的な方法は、Salesforceのシステムでいう「組織」のうちの 1 つをグローバル レポーティング ハブとして使用し、同じ組織内でSalesforce Analytics Cloud のアプリケーションを使用する方法です。 こうすることで、複数のSalesforce組織におけるすべてのやり取りを、単一の顧客ビューで確認できるようになり、結果として顧客生涯価値(LTV)を最大化することができます。 グローバル レポーティング ハブを使用する場合は、利用しているSalesforce の他の組織から中央のグローバル組織へデータを定期的にアップロードする必要があります。これにより、グローバル組織は全顧客データのマスターハブとして機能し、複数組織のデータを使って、常に最新の唯一のデータバージョンとして、ダッシュボードとレンズが機能します。 複数の Salesforce 組織がある中で Salesforce Analytics Cloud を使用するなら、必ず以下の条件を満たすクラウドデータ管理ソリューションを採用しましょう。 プライマリ組織のダッシュボードが常に最新データを使えるように、ルックアップでのみデータ参照が可能なこと。 社内のすべての Salesforce 組織を照会できること。 今回、Salesforce Analytics Cloud の能力を最大限に引き出す 4 つの方法と、アナリティクスを最大限に活用するためのクラウド統合ソリューションの条件について紹介しました。 インフォマティカが提供するInformatica Cloudを利用すれば、オンプレミスのエンタープライズシステムや他のクラウド アプリケーションからSalesforce Analytics Cloud へ、確実かつ迅速にデータをインポートすることができます。 もちろん上記でご紹介した4つの方法とそれぞれのソリューション条件を満たしているのは言うまでもありません。 ぜひInformatica Cloud 30 日間無料体験版をお試しください。 30 日間無料体験版は、こちらからご登録を!