データの品質向上に向けた効率的な管理方法とは
データの品質劣化をそのままにしてしまうリスク
データの品質向上は多くの企業が抱える課題です。
2017年9月のハーバード・ビジネス・レビュー調査によると、新しく作成されたデータレコードの平均47%に少なくとも1つの重大なエラーが見つかっています。なぜデータ品質は劣化し、品質劣化を放置するとどんなリスクをもたらすのでしょうか。
今回は、データ品質の劣化の原因やリスクについて整理し、その上でデータの品質向上のための管理方法について紹介します。
データの品質が劣化してしまう原因とは
まずはデータの品質が劣化する、その主な原因を挙げてみましょう。
◆データの入力ミスのチェック体制ができていない
キーボードの単純なミスタッチ、聞き取りや読み取り、変換ミスなどが原因となるケースです。入力ミスをチェックする体制、防ぐための仕組みが作られていない、もしくは機能していないことにあります。
◆データの表記ルールが統一されていない
入力ミスがなかったとしても、下記のようなデータ表記の揺れが原因で品質が劣化することもあります。
- 全角/半角/カタカナ:ABC/ABC/エー・ビー・シー
- 大文字と小文字: ヤ/ャ、ア/ァ、ェ/ュ
- 株式会社の表記: 株式会社/(株) / ㈱
- 住所の番地表記: 1丁目2番地3号/1-2-3
たとえば、これらが混在してしまうと、本来は同じはずの取引先を同じものとして認識できなくなり、情報分析や与信業務に支障をきたす可能性があります。
◆データの管理体系がバラバラ
また、データの管理体系が定まっていないことも劣化を進める原因となります。たとえば、事業領域やグローバルの地域・拠点ごとに製品の分類カテゴリやコード体系が標準化されていないと、ある製品のグローバルでの売上実績を集計することもままなりません。
◆システム間で多数の重複データができてしまう
複数のシステム間で重複データができてしまうことも、データの品質劣化の典型例です。たとえば、異なる営業チームが同じ顧客についての情報をそれぞれ別のシステムで保有し、別々のデータになっていたらどうでしょう。統合した際に、重複データが生まれてしまい、どちらを正としたらよいか判断が難しくなります。
データ品質の劣化を放置していた際に最も注意すべき点は、顧客や取引先に対して迷惑がかかることです。たとえば、顧客や取引先に関する情報を個別で管理したために、異なる営業チームから同様の営業活動を行ってしまったり、提出したデータが不統一であるがゆえに信頼性を失ってしまうようなケースが起こりえます。
また、社内においてデータに対する信頼度が下がるのも問題です。マスターデータ がどれなのか、データに不整合はないのかといった手作業での確認が発生するだけでなく、部署やシステム間、社員間で情報確認における余計な工数がかかり、効率性が著しく損なわれる要因になります。
データの品質向上に向けた効率的な管理方法とは
データの品質管理において重要なことは、ビジネスの目的のためにデータの質を利用に適した状態に引き上げることはもちろんですが、その利用に適した状態を維持することも重要です。この「データの品質向上とその維持」という目的を果たすには、以下の要素を実現し、回すことが求められます。
- 1. 現状把握:既存データを分析し、品質を評価
- 2. 目標設定:目指すべき品質を定義
- 3. 品質改善:クレンジングや名寄せにより品質を向上
- 4. 測定監視:品質レベルを定量化し、継続的に監視
こうしたデータ品質を永続的に維持・管理するためのサイクルの仕組みを実現し、円滑なデータ連携とデータの一元管理ができるシステムを導入することが、解決策となります。
インフォマティカが提供する「Informatica Data Quality」は、データ品質のプロセスを「分析/マッチング/クレンジング・標準化/統合」に分類し て、上記サイクルの各要素でデータ品質計画・ルール作成、例外データの確認・修正、標準化、権限設定を強力に支援するデータ品質製品です。データの品質向上のための抜本的な解決策として同商品の導入をぜひご検討ください。
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