ハイパーオートメーションとは?導入のメリットと採用のポイントを解説
手動で行われるシステム間連系が企業にとってリスクとなるなか、ビジネスプロセスを自動化するハイパーオートメーションに注目が集まっています。
このブログではハイパーオートメーションのメリットと進める際のポイントについて考えます。
システムが抱える課題
一般的な企業のシステムは多くの課題を抱えています。小売業を例に取ると、「新規のお客様から受注した際のビジネスプロセスとシステムの流れ」は次の通りです。
- 受注データを営業支援システムに登録する
- 営業支援システムから受注システムへ受注報告をする
- 受注システムと在庫管理システムとで在庫確認と在庫引当を行う
- 在庫管理システムから物流システムへ出荷依頼をする
- 3と並行して営業支援システムからサービス管理システムへ取引先データを送る
- 受注システムと在庫管理システムからサービス管理システムにデータを送る
- 受注システムから会計システムに売上を計上する
これらのシステム間連携はほとんどが手動で行わるため、工数や時間の増大、オペレーションミスの発生といったリスクが付いて回ります。
課題を解決するハイパーオートメーション
上記の例の場合、受注というイベント発生時のビジネスプロセスを自動的に処理できれば受注から出荷までのリードタイムを短縮し、オペレーションミスを解消できます。このような自動化の課題に取り組むアプローチがハイパーオートメーションです。
ガードナー社の定義によれば、ハイパーオートメーションとは「組織ができる限り多くのビジネス・プロセスとITアプローチを迅速に特定して検証し、自動化するために用いられるビジネス主導の規律あるアプローチ」を意味します。
ここで注目すべきなのは、ハイパーオートメーションを主導するのがIT部門ではなくビジネスユーザーであるという点です。IT部門では部門を横断したビジネスプロセスを描くことができません。ビジネスプロセスを描けるのはビジネスユーザーだけなのです。
とはいえ、描かれたビジネスプロセスを実際に動かすにはIT化と自動化が必要です。具体的には、ビジネスの目標に合わせてイベント主導型のアーキテクチャーや、APIで連携するiPaaS、AI/機械学習、BPM、ローコード・ノーコードのツールなどを利用してハイパーオートメーションを実現します。
ハイパーオートメーションを進める際の注意点
ハイパーオートメーションを進める際には、考慮すべきポイントが2つあります。
1つ目のポイントは「データ品質」です。使用データが綺麗でないと完全に自動化できない可能性がありますし、自動化しても不良な結果を取得してしまいます。データの品質まで担保することがハイパーオートメーションでは重要です。
2つ目のポイントは「APIを使用したアプリケーション統合」です。
RPAでは画面の自動化はできても、行動的な業務プロセスは構築できません。そこでAPIを活用し、アプリケーションから別のアプリケーションへ内部的に連携することで高度なビジネスプロセスの自動化を実現します。
アプリケーションを統合する3つのAPI
アプリケーション統合に役立つAPIには3つの種類があります。
①データAPI:オンプレミスのレガシーEPRやCRMにあるデータをAPIを介して、クラウド、モバイルなどの各アプリケーションとデータを共有します。
②プロセスAPI:複数のアプリケーションにまたがるビジネスプロセスを統合し、手動で行っていた作業を自動化できるようにします。
③イベントAPI:アプリケーションから送信されるデータイベントやメッセージングを利用した、リアルタイムでのアプリケーション間のデータ交換を可能にします。
ハイパーオートメーション実現に向けたポイント
ハイパーオートメーション実現の成否は、以下に挙げる5つのポイントにかかっています。
- あらゆるシステムに接続…コーディングの手間をかけずに、あらゆるシステムに接続できる
- インテリジェントなプロセス構築…ノーコード・ローコードのツールを使用して、ビジネスユーザーがセルフサービスでプロセスを構築できる
- 監視と管理…構築したプロセス、特にイベントAPIで連携した複雑なプロセスについても効率的に監視・管理できる
- 無制限の柔軟性…ワークロードの変動に対応するため、容易にスケールアップ・スケールダウンできる
- 全てを保護…セキュアなAPIにより脆弱性のリスクに対応する
インフォマティカのIntelligent Data Management Cloud
インフォマティカのIntelligent Data Management Cloud(IDMC)は、企業のDX推進を支え、ハイパーオートメーションを実現するソリューションです。
IDMCでは、マルチハイブリッド対応のさまざまなデータマネジメントソリューションがクラウドサービスとして用意されています。各サービスはクラウドプラットフォーム上で連携しており、ビジネスユーザーはあらゆるデータをノーコード・ローコードで簡単に使用することができます。
また、データ品質を担保したデータ連携の自動化により、すべてのユーザーがハイパーオートメーションを実現できるのがIDMCの強みです。
まとめ
手作業で行っていたシステム間連携が自動化すれば工数や作業時間、待ち時間の短縮につながります。またオペレーションミスや手戻りもなくなるため、コスト削減や品質向上が図られることも大きなメリットです。インフォマティカのIDMCを利用して、御社のハイパーオートメーションを実現してください。
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